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おばあちゃんへ [つぶやき]

おばあちゃんへ

 

激動の時代を生き抜いた91年間、本当にお疲れ様でした。

おじいちゃんの顔も知らずに養蚕農家にお嫁に来て、それはそれは苦労したと聞いています。 

おじいちゃんに先立たれ、12年。 具合が悪くなって、気弱になると、おじいちゃんが迎えに

来るって言っていたけれど、本当におじいちゃんの所へ行ってしまったね。

お正月に会いに行ったのが最期になってしまったけれど、お葬式の朝、会いにきてくれたの、

私、わかったよ。 ありがとう。

 

まるで眠っているように見えたけれど、その顔に触れたら、とっても冷たくて・・・

あんなに柔らかかったおばあちゃんの手が、硬くて冷たくて・・・

話したいことがたくさんあったけれど、声にならなくて、ただ、涙だけしか出てこなかったよ。

 

私、おじいちゃんとおばあちゃんに、叶えて上げられなかったことが一つ、あるの。

覚えている?  

小学6年のお正月、おじいちゃんとおばあちゃんの似顔絵を描いてあげたこと。

それは、それは二人ともその絵を褒めてくれて、本当に嬉しかった。

残念ながら、その絵はもう残っていないけれど、私の心の中には、今でもはっきり残っているよ。

おじいちゃんが、将来は美大に行って勉強して、絵描きさんになるといいって言ってくれたよね。

おじいちゃんとおばあちゃんの遺影の肖像画を描いておくれって笑いながら言ったよね。

今思えば、本当にそうしてあげられたら、どんなにかよかったのにって思うよ。

 

 

そらから、あのパンだのぬいぐるみ。 覚えている?

おばあちゃんがお金をだしてくれたのに、おっちゃんと買いに行ったから、ずっと、おっちゃんに

買ってもらったってきかなかったんだよね、私。

今も宝物だよ。                

一度、中学生の時にお父さんに年末の大掃除で捨てられたけれど、また拾ってきて、

今も大事に持っているんだ。 すっかりボロボロで、汚れてしまったけれど、お母さんが私に

編んでくれた小さなチョッキを着ているの。 誰にも言えないけれど、時々押し入れから

引っ張り出して、ギュッってしてみるんだ。

 

 

私の古いアルバムは、お母さんの宝ものだから、上田に置いてあるの。

その最初のページにあるおばあちゃんと写っている写真を、 おばあちゃん、覚えている?

二人だけで写っているのは、この一枚だけだったよ。 こっそり写真を撮って持ってきたの。 

大切な一枚だからね。       

 

 

それからね、昨日、巣鴨のお地蔵さんに行って、おばあちゃんの分もお礼参りしてきたよ。

おばあちゃんが持って行ったのと同じお地蔵さんもまだ売っていたよ。 一番小さいお地蔵さんを

買ったの。 おばあちゃんだと思って、お地蔵さんを拭いてきた手ぬぐいと一緒に肌身離さず

持っていたくてさ。

 

お母さんね、おばあちゃんがしていた指輪を火葬の間、ずっと大事に持っていて、

形見に持っていようか迷っていたけれど、自分で買ってあげた指輪だから、 自分の変わりに

おばあちゃんのそばに置いておこうって、一緒に納めていたよ。 

お母さんは私よりももっともっと、辛いだろうけれど、頑張っている。

だから、私も負けていられないね、頑張るね。 

 

 

いつも私が来るのを楽しみにしていてくれたから、また変わらずに会いに行くね。

おじいちゃんに、会うことが出来なかったひ孫たちの話をいっぱいいっぱいしてあげてね。

そして、いつも見守っていてね。

 

 

おばあちゃん、今までいっぱい、いっぱい、 ありがとう・・・

 

 

 

 



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